夏といえば『はじめてのおつかい』。親になった今、感じること
夏といえば『はじめてのおつかい』。あの独特な音楽が聴こえれば、子どもが走り出しておつかいへ行く姿が思い浮かびます。
わたしは子どもの頃からこの番組を見ていました。たしか小学校高学年のときに初めて見て、両親が笑いながら泣いていたのを覚えています。「どうして泣くの?」と聞くと、「自分の子どもたちと重なるから」って。「親になったときにわかるよ」と言われました。
それから20年近く経って、わたし自身が3児の母になり、独身の時とは違う感情で見ています。笑いあり、涙あり、感動あり。応援したくなるし、微笑ましいなぁと思いながら楽しんで見ていました。
放送終了後の反響は?
7月29日放送の『DayDay.』で『はじめてのおつかい』の名シーンが紹介され、感動の声が上がる一方、「無理やり」「かわいそう」といった批判も。
現代の社会情勢を背景に、安全面や番組の在り方に疑問の声も広がっています。
出典:Yahoo!ニュース
「無理やり」「かわいそう」とジャッジする人たちへ
子育ての仕方に対して、「無理やり」「かわいそう」とジャッジされる世の中。まず思ったのは、ジャッジしている人はどんな人なんだろう?独身?男性?女性?バツイチ?シングルマザー?もしかしたら未成年?
どんな人が、どんな顔で、どんな気持ちでジャッジしているんでしょうか。
子育て中で、なおかつ3歳・4歳のお子さんがいらっしゃる方なら、共感できる場面は多かったはず。かつて出演していたスポーツ選手のママさんが言っていた言葉をよく覚えています。
「何かを決断するとき、涙が出る。その涙を止めて、『よし!やるぞ!』のあとに成長できるんだ」と。子育ては、それの繰り返しです。
「ママやって!」に、あなたはどう返しますか?
「ママやって!」と、何度言われてきたことでしょう。ここでやってあげたら、そりゃ早いでしょう。早く出発できる。早く買い物へ行ける。早く帰れる。なにごとも、こっちがやってあげれば早く済むんです。
でも、ここで耐えるのも子育て。「ママやって!」に対して、あなたはどう返していますか?可哀想だからやってあげますか?無理やりだなんて、やらせられないからやってあげますか?
わたしは「まず自分でやってみる」と返します。泣かれようが暴れようが、まず自分でやらせます。だって、子どもたちが自分でできることを知ってますから。子どもは「ママにやってほしいだけ」なんです。
もちろん時と場合によって、甘えたい気持ちを汲み取って「今日だけやってあげるね」と寄り添うこともあります。
大抵の場合は怠けたいだけなので、そこを見極めるのも母の仕事というか、技だと思っています。子育てしてるとだいたいわかりますよね。「あぁ今日は心が落ち込んでるから甘えてるなぁ」とか、「めんどくさくて怠けてるだけだなぁ」とか。
他人の子育てをジャッジしないで
話を戻します。他人の子育てに「無理やり」とか「かわいそう」とかジャッジしないでほしいです。思っても、心の中に留めることはできます。わざわざ誰でも目にするところに書き込む必要はあるのでしょうか。
当事者になればわかります。前回の記事でも言いましたが、子育ては「一寸先は闇」です。第三者がとやかく言える世界線ではないのです。
『はじめてのおつかい』は、企画です
『はじめてのおつかい』は、「テレビ番組」です。企画されたものです。現実世界で3歳・4歳の子どもをひとりで買い物に行かせる世界線があるわけないんです。普通に子育てしている常識のある親ならわかります。あくまでも企画なんですよ!
絶対カメラマンだろ!ってバレてるようでバレてないカメラマンに話しかける子ども。なんだその変装!と思われるスタッフに話しかける子ども。仕込みだろ!と言いたくなるほど、うまく対応する店員さん。そこが面白いんです。
子どもが、親から離れて他人の中でどうやって困難を乗り越えて目標を達成していくのか。その過程をカメラマンが親の代わりに見守っている、ただそれだけの愛情たっぷりの番組なんです。
子育てしにくい世界にしているのは誰?
子育てしにくい世界にしているのは、実は子育てしていない人たちなんだと思います。かつて自分も子育てされていた側だったことを忘れて、粗探しして非難して。親に育てられたことを忘れてしまったのでしょうか。
わたしは今34歳です。子どものころ、玄関のドアは開けっぱなしで、家の前の道路で近所の子どもたちと遊んでいました。お隣はもちろん、同じ学区内に住むおじいちゃんやおばちゃんはみんな顔見知りでした。
それからまだ30年。今はそんな光景、見たことないですよね。安全だった『はじめてのおつかい』がリアルにできる世界は、正直もうないです。
それでも、子育てに終わりはないし、子育てがない世界もありません。それでもまた『はじめてのおつかい』が見たい親も、出させたい親も、見守りたい近所のおばちゃんも、きっとまだいるはず。
どうか、出演していたご家族が心穏やかに子育てしていける世界にいられることを願っています。
最後に、わたしの子育ての軸にある言葉
最後にわたしの心にある、子育て必勝の言葉を紹介します。
子育てに間違いも正解もない!大丈夫、合ってるよ!
この言葉を言ってくださったのは、看護師として働いていたときに受け持った、50代で5人のお子さんを育てたママさんです。
この言葉があるから、わたしはいつだって負けずに、倒れずに、めげずに子育てできているんだと思います。わたしの子育ての仕方に、わたしが自信を持っていないと、子どもたちにも失礼ですからね。
第三者の皆さん、そういうことです。
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